



Flower Skirt
バルーンスカートは通常、長い丈のロングスカートを裏側の短い丈のスカートが巻き上げることかたちを作りますが、このルックは一枚のロングスカートをそのままウエストまで巻き上げる作りにすることで、軽やかさとボリューム感を同時に表現しています。
ウエスト部分から伸びるレイヤードは踏まれた花から着想。
花ではなく踏まれた花を選んだのは、単純な植物の力強さもそうですが、文明を生きる私たちと自然との関係という矛盾から祈りを込めて。
私たちは自然を憂う気持ちはありますが、今の暮らしから退化させることはできません。重要なのは、共存を目指す「思い」だと
私は思います。


Triangle Vest
シャツカラーのベスト。襟に磁石を仕込むことで、立ち襟のときに襟先でくっつく仕様に。
首元には三角形の隙間が生まれ、見える肌がフェミニンな印象を与えます。
私が服作りの中で大切にしていることの一つに、アームホールがあります。
私が作るアームホールはおそらく既製品よりも深いです。
故に、通常よりも肌は見える代わりに動きやすさもあります。しかし私はTHETHEにおいては女性「らしさ」という部分にあえてピントを合わせます。それでこの深いアームホールは、よりフェミニンな印象を与えます。
あくまで私は女性はこうあるべき、と謳っているわけではありません。単に、女性らしさという可愛さ、美しさを表しているのです。


Rib meat Rib
伸縮性のあるリブ生地を接ぎ合わせたセットアップ。パーツのラインはボディコンシャスでありながら女性らしさをより上品に見せるよう計算しています。カラーリングは私が北海道に生まれ育ったことが起因しています。


KINARI DENIM PANTS
顔料コーティングを施した生成り生地を使用したハーフパンツ。
ロールアップの部分は別パーツにし、不規則に歪ませることで直接肌に触れない設計に。通気性よく、夏場には特に重宝するアイテムにしました。着用し、洗濯し、また着用することで顔料が剥がれていき、ヴィンテージのような表情になります。


Dress of SETCHU
ドレープの表現を直線で表すのが東洋的、曲線で表すのが西洋的と言われます。
そこで、この衣装では直線的な着物のシルエットをベースに、西洋的なドレープを加えることでシンプルな和洋折衷を表現。
生地は全部で10m以上使用し、まさに生地を纏っているような着心地です。

Muff Pocket Peacoat
このPコートは、ツイッギーのミニスカートと、軍服として使用されていたクラシックなPコートを掛け合わせたデザインです。
ツイッギーのミニスカートを連想させるシルエットを生み出すために、両脇と背中に5本のベンツを入れました。
当時、軍人たちはポケットに手を入れることを禁じられていましたが、長時間外に立つ歩だけが、手を温めるためにポケットを使うことを許されていました。
しかし、軍人らしい姿勢を崩さないよう、ポケットの位置は胸の高い位置に設定されていました。これにより、手を温めながらも背筋が伸び、軍服らしいまいを保てるよう工夫されていたのです。
私は、この「姿勢」に注目しました。
情報に溢れ、背中を丸めてしまう現代社会に、このマフポケットの「位置」を受け継ぎ、THETHEが提案するPコートとして仕上げました。